鍼灸師だいずの豆ちしき

鍼灸にまつわる徒然blog

明けましておめでとうございます!

正月イメージ

明けましておめでとうございます。

鍼灸師のだいずです。
いつも読んで下さってありがとうございます。

今年も鍼灸東洋医学のこと、健康に関する豆ちしきをどんどん発信していきたいと思います。

お時間のある時にぜひお立ち寄りいただけたらうれしいです。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

「冬は痩せる」説は本当か?

暑い時と寒い時、どちらが痩せやすいか、という話を聞いたことはありますか?

一般的に言われているのは、寒い時、つまり冬の方が痩せやすいと言われています。

なぜ冬の方が痩せやすいと言われるのでしょうか。

気温が下がると体温も下がるため、体は体内のエネルギーを使って体温を上げようがんばります。

普段よりもエネルギーを消費するから痩せやすいと、理屈上ではそういうことになるんですね。

ダイエットのイメージ

ただこれはあくまでも、1年を通して変わらない生活を続けていた場合のお話です。
気温がいくら変わろうとも、たくさん食べて動かなければ、どんな季節でも太っていきます。

なので、もし冬のエネルギー消費を利用して痩せることに期待するなら、

・体を温めて、基礎代謝を高める
・血行促進を心がけた生活習慣
・意識的に運動して筋肉量をアップさせる
・食べ物には一段と気をつける

などのことを、寒さにも負けず、誘惑にも負けず(笑)、継続することで、効率よくエネルギーを消費できるのではないかと思います。
(言うはやすし、行うは難しですね!)

それでは今日はこの辺で。

 

stand.fm(スタンド.エフエム)で音声配信もしています。
聞き流しにご活用いただけたら嬉しいです。

stand.fm

末端冷え性の原因は意外なところから…

冷え性はつらいですよね。
実は僕もかなりの末端冷え性ですが、自覚したのは20代後半頃からでしょうか。
きっかけはスキーのリフトであまりに冷えて、辛くて辛くて…
それ以来、冷え性との長~いお付き合いが始まりました。
お風呂でしっかりあたたまっても、布団に入る頃にはいつの間にか末端が冷えて、布団の中で足がジンジンしてなかなか眠れなかったのを覚えています。

今では本格的な冬が訪れると、湯たんぽは必須です。
最近はペットボトルにお湯を入れた即席湯たんぽを足元に入れて寝ています。

日中でも足が冷えるので、足首まで覆えるルームシューズを履いています。冷え性のイメージ

それにしても、なぜ手足は冷えるのでしょうか?
原因の一つに、血流の悪さがあります。
体温を末端まで運んでくれるのはあたたかい血液ですが、冷え性はこの血液がスムーズに末端まで届いてくれません。

「では、血流を良くするにはやっぱり運動ですか?」と聞かれることが多いのですが、
運動だけでシンプルに改善できれば、それはとてもシンプルですし、ラッキーです。

でも実は、継続的に運動をしているのにもかかわらず、冷えが改善しない患者さんの割合は意外に多いんですね。
ちなみに僕もそのタイプで、ウォーキングや筋トレ、階段をひたすら登るなど、がんばって体を動かしています。
動いた直後はあたたかくなりますが、末端は冷えたまま…

 

こういう場合に原因として疑われるのは、おなじみの自律神経です。

自律神経が冷えに関係していることはご存じでしょうか?

自律神経がつかさどる神経には、「交感神経」と「副交感神経」があります。
この2つはよく「アクセル」と「ブレーキ」に例えられます。

活発な時に優位になる交感神経「=アクセル」と、リラックスする時に優位になる副交感神経「=ブレーキ」です。

アクセルを踏んでいる時は、血管がギュッと収縮し、血圧が上がります。
逆に、ブレーキを踏んでいる時は血管が広がるので、血圧は下がります。
この2つの動き、イメージできたでしょうか?

 

では、ストレスや緊張した状態の時はどちらが優位になるでしょうか?
答えは「交感神経が優位」、つまりアクセルを踏んでいる状態です。

ストレスや緊張状態にずっとさらされていると、アクセルも踏みっぱなしの状態となります。
血管がギュッと収縮した状態が続いてしまうため、血液の流れも悪くなります。
当然、末端にスムーズに行きわたらず、血行不良になってしまいます。

緊張している時に手足が冷える経験をされたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

末端冷え性のイメージ

また、先端まで血液を運んでくれる「毛細血管」も大変重要です。
毛細血管は、網目状となってつながっている細~い血管のことです。
皮膚の上から見えている血管とは違って、毛細血管の直径は約8~20μm(マイクロメートル)程度といわれています。
なかなかピンとこない数字ですが、一般的に「赤血球がやっと通れるくらいの細さ」などと表現されます。
細胞がやっと通れる細さ…どれだけ細いか想像がつきますでしょうか?
最近の研究では、ただでさえ細い毛細血管が加齢によって減少していくという研究結果も確認されているそうです。

 

少し長くなりましたが、このように、色んな理由が絡み合う「冷え」に対しても、鍼灸治療は有効です。
鍼やお灸によって緊張やコリがほぐされることで心身もリラックスし、副交感神経「=ブレーキ」が優位になることで血流の改善が期待できます。

色々な方法で温めても冷え性が改善されずにお困りの方は、原因が自律神経にあるかもしれません。

そんな方には一度、鍼灸によるアプローチも試してみていただきたいです。

冷えに悩んでいる方へ、少しでも参考になったらうれしいです。

鍼灸は災害時の心身ケアにも貢献

災害の備えに関する話題を頻繁に耳にするようになりましたね。
我が家でも備蓄品を確認したり、実際に被災された方のブログを参考にして買い足したりしていますが…
ローリングストックがなかなかうまく活用できず、賞味期限が切れそうになって慌てて食べたりしています。

 

さて今日は、鍼灸と災害の意外な関係について。

東日本大震災の際にも、鍼灸治療が被災地で大きく貢献したことをご存じでしょうか。
ボランティアとして被災地を回りながら、鍼灸施術で心身のケアを行われた鍼灸師の方が数多くいらっしゃいました。

災害時には、被災された方に限らず、避難所で対応されるスタッフの方や現地での医療スタッフの方、ボランティアの方なども毎日奔走して疲弊されていますので、そういった方々へのケアも同時に行われていたようです。

体育館のイメージ

大規模な災害に遭い、生死にかかわるような経験をしたことでPTSD心的外傷後ストレス障害)に陥ることがあります。
恐怖などの強い感情とともに当時の状況が何度も思い出され、いわゆるフラッシュバックしてしまうような状態です。
加えて、不眠や不安、食欲不振、急に音に敏感になってしまうなど、日常生活もままならなくなってしまいます。
また、避難所のような慣れない場所で長期に過ごすことで、身体の痛みやコリが発生するケースも少なくありません。

 

慣れない場所で不安な時間を過ごしていくストレスは想像以上だと思います。

気を張っている時よりも、少し時間が経ってふっと気が緩んだ時に、ガクンと体調を崩してしまうことの方が多いものです。

物資や薬が不足している状況の中でも、はり1本、お灸1つで心身をケアすることができる鍼灸は、大いに役に立てるのではないかと思います。

 

僕も、避難袋の中には災害時に役立つような鍼灸の施術セットを必ず入れてあります。
このセットを使う日がこないことを願いつつ、いざという時には誰かの役に立てるよういつも備えておきたいと思います。

今日もおつきあいいただきありがとうございました。

鍼灸のイメージは、痛そう?怖い?

鍼灸」と聞くと、どんなことをイメージされますか?
やはり真っ先に「痛そう」「怖い」などが浮かぶでしょうか。
僕の周りでも、未体験の方はまず「針を刺すんでしょ?痛そう~」という反応が多いです。

「心身は辛くてそろそろ限界、マッサージもその場しのぎだし…鍼灸って実際どうなんだろう?でも痛いのは嫌だし、はじめの一歩が踏み出せない…」

 

という方がとても多いので、そんな未知の怖さを払拭していただき、鍼灸へのハードルを少しでも下げてもらえるよう、鍼灸治療について少しずつご紹介していきますね。

 

まずは鍼灸の「鍼」、はりについて。

身近なものだと裁縫用や注射用の細長いものを連想されるかと思います。それなりに太さはありますし、刺した時は痛いですよね。

鍼灸のはりも、細長いという点では同じですが、実は尖端の形状が少し丸く加工されています。
この形状のおかげで血管や神経を傷つけずに、痛みをできるだけ軽減できるように出来ているんですね。
また、特徴的なのが細さです。
ごく細いものは「約0.1mm」ほどなので、髪の毛くらいでしょうか。
ちなみに、蚊の針の太さは「0.06~0.08mm」ほどと言われていますので、それよりもやや太いくらいですね。
どれだけ細いか、イメージつきますでしょうか?

注射のような鋭い痛みを想像して身構えていたのに、「え?いま刺さってるんですか?」なんておっしゃる患者さんもたくさんいらっしゃいます。
感じ方には個人差がありますが、ほとんどの方は2回目から安心して受けていただいていますね。鍼灸治療を受ける女性

それでもやっぱり気分的に怖い!という方には、「刺さないはり」からご提案することもあります。
「刺さないはり」については、また次回詳しくご紹介しますね。

ご不明なことや知りたいことなどありましたら、いつでもご質問くださいね。

鍼灸(しんきゅう)の歴史と進化

こんにちは。鍼灸師のだいずです。
今日は鍼灸の歴史について少しふれてみたいと思います。
(所説ありますが)鍼灸は2000年以上も前に古代中国で誕生し、6世紀半ば~7世紀ごろ、飛鳥時代のあたりに仏教とともに日本に渡来したと考えられています。

東洋医学イメージ
その後、日本国内において独自の進化を遂げ、15世紀ごろからは漢方医学として広く世の中に根づいていきます。
明治時代の初期までは、漢方薬とともに「主流の医学」として人々に広く活用されていました。

しかし、幕末から明治初期にかけて、徐々に西洋医学に医療の主導権を取られてしまいます。
明治政府も欧米列強諸国に追いつけ追い越せと、西洋医学がメインの医学となり、鍼灸は隅の方に追いやられてしまいました。

そんな経緯をもつ鍼灸治療ですが、決して消滅してしまうことはなく、時代を経て様々な効果が科学的に証明されて、治療法としてまた注目を浴びています。

現在では、日本よりも世界で活躍されている鍼灸師も出てきていますし、欧米諸国でかなり評価を得ているケースもたくさん見聞きするようになりました。

たとえばアメリカでは、戦地で負傷した兵士などへの治療やメンテナンス、日頃のケアなどにも利用されているようです。

gendai.media

また、スポーツ界でもかなり有名になったと思いますね。
あるクラブチームに所属して試合にも帯同し、選手たちのサポートをする鍼灸師も増えてきています。

鍼灸治療が活躍していても、なかなか脚光が当たらないというところはもどかしいのですが、確実に評価されているのは、いち鍼灸師としてとても嬉しいです。

今日もおつきあいいただきありがとうございました。

鍼灸を試したことはありますか?

こんにちは。鍼灸師のだいずです。

鍼灸を受けたことのある方は世の中にどのくらいいらっしゃるでしょうか?
ある調査では、2022年度における鍼灸の受療率は5.7%という結果が出ているそうです。
2022年というと、コロナ渦の真っ最中ですので、対面の治療を控えている方が多かった時期ではありますが…
やはり今でも未経験の方の方が圧倒的に多い状況ですね。
それでも、前年度の調査より1.3ポイント上昇していたのは少し驚きです。

鍼灸師の数は右肩上がりに増えて、鍼灸院の数はコンビニ以上と言われていますし、世の中の状況も大きく変わりました。


最近では、芸能人の方が鍼灸を受けている様子を発信したり、美容鍼が話題になることもあり、以前に比べればハードルも下がってきているのではないかと思いますが、おそらく未経験の方がまだまだ多いかと思います。

鍼をさす治療というのは、ビジュアル的にもインパクトがありますし、一見痛そうに見えて敬遠されますよね。

鍼灸のイメージ

実際に受けてみたら痛くなかった、という方がほとんどなのですが…

実は僕もそのうちの1人でした。
知識もなかったですし、なんだかあやしげな雰囲気(笑)の鍼灸にたどり着くまではだいぶ時間がかかりました。
でも、当時どうにもならなかった辛さが本当に楽になって、結果として今の自分につながっていることを考えると、あの時思いきって試してみてよかったと心から思います。

マッサージや整体などはわかりやすく気持ちがよいですし、リラクゼーションにもなるので、それはそれでよいとは思いますが、

根本的な治療を求めている方には、是非鍼灸も試してみてほしいなと思います。

今日もおつきあいいただきありがとうございました。